A Sensorimotor Circuit in Mouse Cortex for Visual Flow Predictions | Neuron (2017)
Marcus Leinweber ∙ Daniel R. Ward ∙ Jan M. Sobczak ∙ Alexander Attinger ∙ Georg B Keller
https://doi.org/10.1016/j.neuron.2017.08.036
Visual Flowを用いた感覚運動ミスマッチ(Sensory-Motor Mismatch)の検証
動物は、自身の運動の結果生じる感覚入力(reafference)と関係ない感覚入力(exafference)を区別する必要がある
これを実現するには自分の運動から予測される感覚入力を打ち消す必要がある(随伴発射(corollary discharge; CD))
一次視覚野(Primary Visual Cortex; V1)は視覚刺激がなくとも、運動と相関した応答が観られる
さらにL2/3においては、運動から予測される感覚入力と実際の感覚入力の間に齟齬があった場合にのみ応答する感覚運動ミスマッチ(Sensory-Motor Mismatch)神経が見つかっている
Sensorimotor Mismatch Signals in Primary Visual Cortex of the Behaving Mouse | Neuron (2012)
Q. この予測はどこから来るのか?
A.主に二次運動野(second motor cortex; M2)やanterior cingulate cortex; ACC
主に一次視覚野(Primary Visual Cortex; V1)のL2/3に投射していた
Q. 運動と感覚入力の関係が変化した場合、どのようにこれを修正するのか?
可能性:M2等で形成される予測が変化する or V1における処理が変化する
A.M2/ACCで形成される予測が変化していた
例えば通常の環境で左半球のV1に投射するM2/ACCはVis. Flow: 左→右(運動: 左回転)に相関する入力をしていたが、環境を反転させるとVis. Flow: 右→左(運動: 左回転)に相関する入力が増加した。
環境の変化に応じて、V1に送る予測入力を変化させている
Naa_tsure.iconこれはすごく面白いポイント
通常、視覚野は視覚の座標におけるコーディング(Vis. Flowなど)を行っており、運動野は運動の座標におけるコーディング(筋肉をどのように動かすか)を行っていると考えられる
しかし、この結果は少なくともV1に投射するM2/ACCの神経細胞は視覚座標における座標でコーディングを行っているということになる
Naa_tsure.iconこれは視覚(特にVis. Flow)の処理に限定的なのか?
例えば、聴覚: A synaptic and circuit basis for corollary discharge in the auditory cortex | Nature (2014)では、運動から予測されるA1の応答をキャンセルする
他のモダリティは???
Naa_tsure.iconM2/ACCの神経細胞はどのように環境を学習したのか?
Predictive Processing; PPによれば、例えば視覚野におけるミスマッチがM2/ACCに伝わって学習に使われるはず